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『薬草取』 青空文庫
「少々《しょうしょう》無理な願《ねがい》ですがね、身内に病人があって、とても医者の薬では治《なお》らんに極《きま》ったですから、この医王山でなくって外《ほか》にない、私が心当《こころあたり》の薬草を採りに来たんだが、何、姉《ねえ》さんは見懸《みか》けた処《ところ》、花でも摘みに上《あが》るんですか。」
「御覧の通《とおり》、花を売りますものでござんす。二日置き、三日置《おき》に参って、お山の花を頂いては、里へ持って出て商《あきな》います、丁《ちょう》ど唯今《ただいま》が種々《いろいろ》な花盛《はなざかり》。
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