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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と見得でねえわ、見得でねえね。極りの悪そうに、人の心を無にしねえで言訳をするように言わしっけが、此奴を睨んで、はあ、そこへ私《わし》が押惚《おっぽ》れただ。
 殊勝な、優しい、最愛《いとし》い人だ。これなら世話をしても仔細あんめえ。第一、あの色な仁体じゃ……化《ば》……仁右衛門よ。」
 「何《あに》い、」

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