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『春昼』
泉鏡花を読む
処が、箕の形の、一方はそれ祭礼に続く谷の路でございませう。其の谷の方に寄つた畳なら八畳ばかり、油が広く染んだ体に、草がすつぺりと禿げました。」
といひかけて、出家は瀬戸物の火鉢を、縁の方へ少しずらして、俯向いて手で畳を仕切つた。
「これだけな、赤地の出た上へ、何か恁うぼんやり踞つたものがある。」
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