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『五大力』
従吾所好
身に染めば、それも尊い。ほろ/\と露が溢れるやうです。
それを、
白
い手で従姉が拭くんだ、頬から鼻の下をね……其処へ、縦横に血の滲んだ擦剥傷が傷々しく見えるぢやないか。
――此はね、怪我をした後、二三日経つて、――其でも正気には成つた処へ、見舞に顔を見せた私に向つてはじめて云つた言葉だつた。
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