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 『歌行燈』 従吾所好


「泣いてばかり居ますから、気の荒いお船頭が、こんな泣虫を買ふほどなら、伊良子崎の鼠を蒲団で、弥島の烏賊を遊ぶつて、何の船からも投出される。
 又、あの巌に追上げられて、霜風の間々〈あひ/\〉に、(こいし、こいし。)と泣くのでござんす。

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