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 『春昼』 泉鏡花を読む

 また、陰気な、湿つぽい音で、コツ/\と拍子木を打違へる。
 矢張其のものの手から、づうと糸が繋がつて居たものらしい。舞台の左右、山の腹へ斜めにかゝつた、一幅のい靄が同じく幕でございました。むら/\と両方から舞台際へ引寄せられると、煙が渦くやうに畳まれたと言ひます。

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