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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 さあ那の神様の手が障れば鉄砲玉でも通るまいと、蜘蛛の巣のやうに評判が八方へ。
 其の頃からいつとなく感得したものと見えて、仔細あつて、那の痴に見を任せて山に篭つてからは神変不思議、年を経るに従うて神通自在ぢや、はじめは体を押しつけたのが、足ばかりとなり、手さきとなり、果は間を隔てて居ても、道を迷うた旅人は嬢様が思ふまゝはツといふ呼吸で変ずるわ。

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