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『外科室』
青空文庫
ために顔の色の動かざる者は、ただあの医学士一人あるのみ。渠は先刻《さき》にいかにしけん、ひとたびその平生を失せしが、いまやまた自若となりたり。
侯爵は渋面造りて、
「貴船、こりゃなんでも姫《ひい》を連れて来て、見せることじゃの、なんぼでも児のかわいさには我《が》折れよう」
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