検索結果詳細
『絵本の春』
青空文庫
と円い膝に、揉《も》み込むばかり手を据えた。
「もう、見たかい。……ええ、高島田で、紫色の衣《き》ものを着た、
美
しい、気高い……十八九の。……ああ、悪戯《いたずら》をするよ。」
と言った。小母さんは、そのおばけを、魔を、鬼を、――ああ、悪戯をするよ、と独言《ひとりごと》して、その時はじめて真顔になった。
59/84
60/84
61/84
[Index]