検索結果詳細


 『半島一奇抄』 青空文庫

 また一輪浮いて来ます。――何だか、天の川を誘い合って、天女の簪《かんざし》が泳ぐようで、私は恍惚《うっとり》、いや茫然《ぼうぜん》としたのですよ。これは風情じゃ……と居士も、巾着《きんちゃく》じめの煙草入の口を解いて、葡萄《ぶどう》に栗鼠《りす》を高彫《たかぼり》した銀煙管《ぎせる》で、悠暢《ゆうちょう》としてうまそうに喫《の》んでいました。

 61/129 62/129 63/129


  [Index]