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『半島一奇抄』
青空文庫
また一輪浮いて来ます。――何だか、天の川を誘い合って、天女の簪《かんざし》が泳ぐようで、私は恍惚《うっとり》、いや茫然《ぼうぜん》としたのですよ。これは風情じゃ……と居士も、巾着《きんちゃく》じめの煙草入の口を解いて、葡萄《ぶどう》に栗鼠《りす》を高彫《たかぼり》した銀煙管《ぎせる》で、悠暢《ゆうちょう》としてうまそうに喫《の》んでいました。
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