検索結果詳細


 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫

 何故に、わが背戸の雀は、見馴れない花の色をさえ恐るるのであろう。実《げ》に花なればこそ、些《ちっ》とでも変った人間のには、渠《かれ》らは大《おおい》なる用心をしなければならない。不意の礫《つぶて》の戸に当る事幾度《いくたび》ぞ。思いも寄らぬ蜜柑《みかん》の皮、梨の核《しん》の、雨落《あまおち》、鉢前《はちまえ》に飛ぶのは数々《しばしば》である。

 61/143 62/143 63/143


  [Index]