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 『義血侠血』 青空文庫

 弁者はたちまち手を抗《あ》げてこれを抑えぬ。
「まあお聞きなさい。ところで出刃打ちの状には、いかにも賊を働きました。賊は働いたが、けっして人殺しをした覚えはございません。奪《と》りましたのは水芸の滝の糸という者の金で、桐田の門は通過《とおり》もしませんっ」

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