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『化鳥』 青空文庫
他所《よそ》のおぢさんの鳥さしが来て、私《わたし》ン処《とこ》の橋の詰《つめ》で、榎の下で立留《たちど》まつて、六本めの枝のさきに可愛い頬白が居たのを、棹でもつてねらつたから、あら/\ツてさういつたら、叱ツ、黙つて、黙つてツて恐い顔をして私《わたし》を睨めたから、あとじさりをして、そツと見て居ると、呼吸《いき》もしないで、じつとして、石のやうに黙つてしまつて、かう据身《すゑみ》になつて、中空《なかぞら》を貫《つらぬ》くやうに、じりツと棹をのばして、覗《ねら》つてるのに、頬白は何にも知らないで、チ、チ、チツチツてツて、おもしろさうに、何かいつてしやべつて居ました。
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