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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「はじめの夜は、唯その手毬が失せましただけで、別に変った事件《こと》もなかったでございますか。」
 と、小次郎法師の旅僧は法衣《ころも》の袖を掻合せる。
 障子を開けて縁の端近に差向いに坐ったのは、少《わか》い人、即《すなわち》黒門の客である。

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