検索結果詳細
『義血侠血』
青空文庫
血気事を好む徒《てあい》は、応と言うがままにその車を道ばたに棄てて、総勢五人の車夫は揉みに揉んで駈けたりければ、二、三町ならずして敵に逐い着き、しばらくは相並びて互いに一歩を争いぬ。
そのとき車夫はいっせいに吶喊《とっかん》して馬を駭《おど》ろかせり。馬は懾《おび》えて躍り狂いぬ。車はこれがために傾斜して、まさに乗り合いを振り落とさんとせり。
64/706
65/706
66/706
[Index]