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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
大袈裟に言えば、それこそ、さあ、という時、遁路《にげみち》のない位で。夏だけに、物の色はまだ分りましたが、日は暮れるし、貴僧《あなた》、黒門までは可い天気だったものを、急に大粒な雨! と吃驚《びっくり》しますように、屋根へ掛りますのが、この蔽《おっ》かぶさった、欅の葉の落ちますのです。それと知りつつ幾度も気に成っては、縁側から顔を出して植込の空を透かしては見い見いしました、」
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