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 『義血侠血』 青空文庫

 と弁者は仰ぎて笑えり。乗り合いは、威儀ある紳士とその老母を除きて、ことごとく大笑せり。笑い寝《や》むころ馬車は石動に着きぬ。車を下らんとて弁者は席を起《た》てり。甲と乙とは渠に向かいて慇懃に一揖して、
「おかげさまでおもしろうございました」
「どうも旦那ありがとう存じました」

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