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 『婦系図』 青空文庫

 と舌尖《したさき》三分で切附けたが、一向に感じないで、
「遣るさ。そのかわり待合や、何かじゃ、僕の方が媒酌人だよ。」
「怪しからん。黒と白との、待て? 海老茶と緋縮緬《ひぢりめん》の交換だな。いや、可い面《つら》の皮だ。ずらりと並べて選取《よりど》りにお目に掛けます、小格子の風だ。」

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