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『婦系図』 青空文庫
「ああ、しかも首席よ。出来るんだね。そうして見た処、優美《しとやか》で、品が良くって、愛嬌《あいきょう》がある。沢山ない、滅多にないんだ。高級三百顔色なし。照陽殿裏第一人だよ。あたかも可《よし》、学校も照陽女学校さ。」
と冷えた茶をがぶりと一口。浮かれの体とおいでなすって、
「はは、僕ばかりじゃない、第一母様が気に入ったさ。あれなら河野家の嫁にしても、まあまあ……恥かしくない、と云って、教頭に尋ねたら、酒井妙子と云うんだ。ちょっと、教員室で立話しをしたんだから、委《くわし》いことは追てとして、その日は帰った。
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