検索結果詳細
『婦系図』 青空文庫
「はは、僕ばかりじゃない、第一母様が気に入ったさ。あれなら河野家の嫁にしても、まあまあ……恥かしくない、と云って、教頭に尋ねたら、酒井妙子と云うんだ。ちょっと、教員室で立話しをしたんだから、委《くわし》いことは追てとして、その日は帰った。
すると昨日《きのう》、母様がここへ訪ねて来たろう。帰りがけに、飯田町から見附《みつけ》を出ようとする処で、腕車《くるま》を飛ばして来た、母衣《ほろ》の中のがそれだッたって、矢車の花を。」
681/3954
682/3954
683/3954
[Index]