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『五大力』 従吾所好
「あゝ、分つた。何だか酔切れない酒が、又腹の底から、きつぱりと醒めた。今の言で、夜があけたやうだ。あゝ、日の出が待遠しい気に成つた。御意見は実に難有い。が、察しておくれ。……此ばつかりが気に成るから、恁う言ふ中にも、それ、然うやつたお前さんの顔も、矢張、一個の、ものを言ふ、活きた面に見えてならない。」
と瞻〈みまも〉られて、親爺は、もそ/\と、両手で額から鼻柱を引擦つて押撫でる。
小弥太は正気づいたらしく、はじめて笑つて、
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