検索結果詳細


 『五大力』 従吾所好

 と言ふ。車夫は、空にした、茶飯の茶碗を、ト巾着附に腰の辺で。くるりと向うむきに、其処が板塀の小溝越に、足を投げて、突張りながら、殺さば殺せ覚悟の体。首を長く、がくりと成つて、先刻から鼾を掻く。其の響きで、茶碗に投げた竹箸が、の魅〈さ〉した狐狗狸と云ふ形で、ひよいひよい。茶飯屋が肩をたゝいて、「串戯ではない、これ、若い衆、」

 685/1139 686/1139 687/1139


  [Index]