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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「私は酒はいけず、対手《あいて》は出来ませんから、皆さんの車座を、よく蚊帳の中から見ては寝ました。一時は随分賑《にぎやか》でした。
 まあ、入かわり立かわり、十日ばかり続いて、三人四人ずつ参りましたが、この頃は、ぱったり来なくなりましたんです。」
 「と申す事でございますな。ええ、時にその入り交り立ち交りにつけて、何か怪しい、」

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