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 『歌行燈』 従吾所好

 此方は何にも知らなからう、風は凪ぐ、天気は可。叔父は一段の上機嫌。……古市を立つて二見へ行つた。朝の中、朝日館と云ふのへ入つて、いづれ泊る、……先へ鳥羽へ行つて、ゆつくりしようと、直ぐに車で、上の山から、日の出の下、二見の浦の上を通つて、日和山を桟敷に、山の上に、を青畳にして二人で半日。やがて朝日館へ帰る、……と何うだ。

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