検索結果詳細
『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
モウパッサンが普仏戦争を題材にした一篇の読みだしは、「巴里《パリイ》は包囲されて飢えつつ悶えている。屋根の上に雀も少くなり、下水の埃《ごみ》も少くなった。」と言うのではなかったか。
雪の時は――見馴れぬ花の、それとは違って、天地を包む雪であるから、もしこれに恐れたとなると、雀のためには、大地震以上の天変である。東京のは早く消えるから可いものの、五日十日積るのにはどうするだろう。半歳《はんさい》雪に埋もるる国もある。
70/143
71/143
72/143
[Index]