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『龍潭譚』
青空文庫
「それはハヤ不念なこんだ。帯の結《むすび》めさへ叩いときや、何がそれで姉様なり、母様《おふくろさま》なりの魂が入るもんだで魔《エテ》めはどうすることもしえないでごす。」
「さうねえ。」とものかなしげに語らひつつ、社の前をよこぎりたまへり。
走りいでしが、あまりおそかりき。
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