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 『木の子説法』 青空文庫

 これを聞いて、かねて、知っていたせいであろう。おかしな事には、いま私たちが寄凭《よりかか》るばかりにしている、この欄干が、まわりにぐるりと板敷を取って、階子壇《はしごだん》を長方形の大穴に抜いて、押廻わして、しかも新しく切立っているので、はじめから、たとえば毛利一樹氏、自叙伝中の妻恋坂下の物見に似たように思われてならなかったのである。

「――これはこのあたりのものでござる――」

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