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『古狢』
青空文庫
「……だって、椎《しい》の木婆さんが、糸車を廻す処ですもの、小豆洗《あずきあらい》ともいうんですわ。」
後前《あとさき》を見廻して、
「それはね、城のお殿様の御寵愛の、その姉さんだったと言いましてね。むかし、魔法を使うように、よく祈りのきいた、美しい巫女《みこ》がそこに居て、それが使った狢だとも言うんですがね。」
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