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『天守物語』
泉鏡花を読む
ハタと竹笠を落す。女郎花《をみなへし》、これを受け取る。貴女の面《おもて》、凄きばかり白く臈長《らふた》けたり。
露も散らさぬお前たち、花の姿に気の毒だね。(下りかゝりて壇に弱腰、廊下に裳《もすそ》。)
薄 勿体ないことを御意遊ばす。――まあ御前様あんなものを召しまして。
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