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『歌行燈』
従吾所好
「(源三郎)……かくて龍宮に至りて宮中を見れば、其の高さ三十丈の玉塔に、彼玉をこめ置、香花〈かうげ〉を備へ、守護神は八龍並居たり、其外悪魚鰐の口、遁れがたしや我命、さすが恩愛の故郷〈ふるさと〉のかたぞ恋しき、あの浪のあなたにぞ……」
爾時〈そのとき〉、漲る心の張に、島田の元結弗〈ふツ〉つと切れ、肩に崩るゝ緑の黒髪。
水
に乱れて、灯に揺めき、畳の海は裳に澄んで、塵も留めぬ舞振かな。
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