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 『歌行燈』 従吾所好

 と声が幽んで、源三郎の地謡ふ節が、フト途絶えようとした時であつた。
 此の湊屋の門口で、爽に調子を合はした。……其の声、き虹の如く、衝と来て、お三重の姿に射した。
 「(喜多八)……さるにても此のまゝに別れ果なんかなしさよと、涙ぐみて立ちしが……」

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