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 『五大力』 従吾所好

 樟脳の中へ入つたやうに、木の新しい薫がする、暗い門〈かど〉は、矢狭間〈やざま〉に似て、城の如き一帯の材木河岸。
 深川のの黒さ。
 唯、底あかりが、対岸の屋並を射て、立続く蔵、物置、霜に尖つた屋根と屋根は、鋭くペン尖〈さき〉で描いたる、星の住居のやうであつた。

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