検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

「なんて。――可哀相に、蒸したり焼いたり出来ますかって貴下――おまけにお雛様んでしょう――この方の心意気は、よく分ってるじゃありませんか。
 私だって放しに来ました、見て下さいな。」
 片手を添えて、捧げたのは、錦手の中皿の、半月|形に破れたのに、小さな口紅三つばかり、裡紫の壺|二個。……その欠皿も、白魚の指に、紅猪口のごとく蒼く輝く。

 738/2195 739/2195 740/2195


  [Index]