検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

「あら、小さいんで極りの悪い事ね……お価が高いもんですから、賤の女でござんすわいな。ほほほほほ。」
 桃の花片そこに散る、貝に真珠の心があって、を懐う風情かな。
「お座敷|帰に、我家の門から、奴に持たして出たんですがね。途中で威かしたもんだから、押放出して遁げたんですもの。ヒヤリとしたわよ、真二つ。身上|大痛事。これを拾う時の拙者が心中、心持というものは、御両所、御推量下されい。

 742/2195 743/2195 744/2195


  [Index]