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『日本橋』
青空文庫
「お座敷|帰に、我家の門から、奴に持たして出たんですがね。途中で威かしたもんだから、押放出して遁げたんですもの。ヒヤリとしたわよ、真二つ。身上|大痛事。これを拾う時の拙者が心中、心持というものは、御両所、御推量下されい。
それでも、孝の字|大達引。……ねえ、そんな思いをして迄だって、放しに来たんじゃ
ありません
か。ねえ、現在。」
と左右を見つつ、金魚鉢を覗くごとく、仇気なく自分も視めて、
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