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 『婦系図』 青空文庫

「母様の指揮《さしず》だろう、一々。私はこうして懇意にしているからは、君の性質は知ってるんだ。君は惚れたんだろう。一も二もなく妙ちゃんを見染《みそめ》たんだ。」
「うう、まあ……」と対手《あいて》の相もあり、もじもじする。
「惚れてよ、可愛い、可憐《いとし》いものなら、なぜ命がけになって貰わない。

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