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『五大力』
従吾所好
と、……女性は、地〈ぢ〉の底まで沈む、失望したらしい歎息〈ためいき〉すると、袖なりに肱を曲げて、立揃へた材木のすく/\と並んだ上へ、背向〈うしろむ〉きに顔を隠して、トンと身体を投掛けた。音さへ、谺するまで、寂然〈ひつそり〉する。
「あゝ、面だ……矢張り面だ。」と小弥太は、近くへも寄り得ないで、呼吸を切つて、呟くのであつた。
「面ぢやありません、面ぢやありません。しかし、」
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