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 『薬草取』 青空文庫

「否《いいえ》、こう桜が散って参りますから、直《じき》でございます。私も其処《そこ》まで、お供いたしますが、今日こそ貴方《あなた》のようなお連《つれ》がございますけれど、平時《いつも》は一人で参りますから、日一杯《ひいっぱい》に里まで帰るのでございます。」
「日一杯?」と思いも寄らぬ状《さま》。
「どんなにまた遠い処《ところ》のように、樵夫《きこり》がお教え申したのでござんすえ。」

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