検索結果詳細
『五大力』
従吾所好
と其のまゝ、袖の中で云つた。其の袖を、しなやかに衝と挙げて、然うして顔を蔽ふと、乱れた振を透通つて、慄然〈ぞつと〉する雪の膚〈はだえ〉。……扱帯〈しごき〉のなりで、しどけない、寝衣の褄も乱れて居る。
小弥太は偶と差屈〈さしかゞ〉んで、其の足許に目を着けたが、夜の小路の響にも知れた。――素足の霜に
水
を搦めて、浅葱の端緒ではあるまじいが、……裳が落ちて、隠れて見えぬ。
750/1139
751/1139
752/1139
[Index]