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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と肩越に淵を差覗くが如く、座をずらして見返りながら、
 「なるほど。」
 「北へ四枚目の隅の障子を開けますとね。溝へ柄を、その柱へ、切尖《きっさき》を立掛けてあったろうではありませんか。」

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