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 『化鳥』 青空文庫

私《わたし》が頷《うなづ》かないので、先生がまた、それでは、皆あなたの思つている通りにして置きましやう。けれども木だの、草だのよりも、人間が立優《たちまさ》つた、立派なものであるといふことは、いかな、あなたにでも分りましやう、先づそれを基礎《どだい》にして、お談話《はなし》をしやうからつて、聞きました。
分らない。私《わたし》さうは思はなかつた。
「あのウ母様《おつかさん》、だつて、先生、先生より花の方がうつくしうございますツてさう謂つたの。僕、ほんとうにさう思つたの、お庭にね、ちやうど菊の花が咲いてるのが見えたから。」

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