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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
私も長い旅行です。随分どんな処でも歩行《ある》き廻ります考えで。いざ、と言や、投出して手を支くまでも、短刀を一口《ひとふり》持っています――
母
の記念《かたみ》で、峠を越えます日の暮なんぞ、随分それがために気丈夫なんですが、謹《つつしみ》のために桐油に包んで、風呂敷の結び目へ、緊乎《しっかり》封をつけて置くのですが、」
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