検索結果詳細


 『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

と料理番は、我を忘れて沈んだ声して、
「えゝ。旦那、へい、何うも、いや、全く、――実際、危うございますな。――然う言ふ場合には、屹と怪我があるんでして……よく、その姐さんは御無事でした。此の贄川の川上、御岳口、美濃よりの峡は、よけいに取れますが、その方の場所は何処でございますか存じません――芸妓衆は東京のどちらの方で。」

 76/330 77/330 78/330


  [Index]