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 『絵本の春』 青空文庫

 僥倖《さいわい》に、白昼の出水だったから、男女に死人はない。二階家はそのままで、辛うじて凌《しの》いだが、平屋はほとんど濁流の瀬に洗われた。
 若い時から、諸所を漂泊《さすら》った果《はて》に、その頃、やっと落着いて、川の裏小路に二階借《がり》した小僧の叔《おば》にあたる年寄《としより》がある。

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