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『婦系図』 青空文庫
けれども、品行の点は、疑えば疑えると云うだろう。そこはね、性理上も斟酌《しんしゃく》をして、そろそろ色気が、と思う時分には、妹たちが、まだまだ自分で、男をどうのこうのという悪智慧《わるぢえ》の出ない先に、親の鑑定《めがね》で、婿を見附けて授けるんです。
否《いや》も応も有りやしない。衣服《きもの》の柄ほども文句を謂わんさ。謂わない筈だ、何にも知らないで授けられるんだから。しかし間違いはない、そこは母さんの目が高いもの。」
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