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 『化鳥』 青空文庫

「あのウ母様《おつかさん》、だつて、先生、先生より花の方がうつくしうございますツてさう謂つたの。僕、ほんとうにさう思つたの、お庭にね、ちやうど菊の花が咲いてるのが見えたから。」
先生は束髪《そくはつ》に結つた、色の黒い、なりの低い頑丈《がんじやう》な、でく/\肥《ふと》つた婦人の方で、私《わたし》がさういふと顔をうした。それから急にツヽケンドンなものいひおしだから、大方《おほかた》其が腹をお立ちの源因《げんゐん》であらうと思ふ。

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