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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 「お待ち下さい、トあの、西瓜で騒いだ夜は、たしかその後でしたっけ。
 何、こりゃ詰らない事ですけれども、弱ったには弱りましたよ。……
 確か三人づれで、若い衆が見えました。やっぱり酒を御持参で。大分お支度があったと見えて、するめの足を噛りながら、冷酒《ひやざけ》を茶碗で煽るようなんじゃありません。

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