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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
夜深しに汗ばんで、蒸々《むしむし》して、咽喉《のど》の乾いた処へ、その匂い。血腥いより堪りかねて、縁側を開けて、私が一番に庭へ出ると、皆も跣足で飛下りた。
驚いたのは、もう夜が明けていたことです。山の巓《いただき》の方は蒼くなって、麓へ靄が白んでいました。
不思議な処へ、思いがけない景色を見て、和蘭陀《オランダ》へ流された、というのがあるし、堪らない、先ず行燈をつけ直せ、と怒鳴ったのがいる。
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