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 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫

 とわなわなと身震いする。濡れた肩を絞って、雫《しずく》の垂るのが、蓴菜《じゅんさい》に似た血のかたまりの、いまも流るるようである。
 尖《とが》った嘴《くちばし》は、疣立《いぼだ》って、なお蒼《あお》い。
「いたましげなや――何としてなあ。対手《あいて》はどこの何ものじゃの。」

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