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『半島一奇抄』
青空文庫
「……時に、お話につれて申すようですけれども、それを伺ってはどうやら黙っておられないような気がしますので。……さあ、しかもちょうど、昨年、その頃です。江の浦口野の入海《いりうみ》へ漾《ただよ》った、漂流物がありましてな、一頃《ひところ》はえらい騒ぎで
ござ
いましたよ。浜方で拾った。それが――困りましたな――これもお話の中《うち》にありましたが、大《おおき》な青竹の三尺余のずんどです。
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